「BEST AKINA メモワール」全曲解説

YOUNG SONG(明星 1984年3月号)より、「BEST AKINA メモワール」全曲解説です。


解説は、当時の中森明菜担当ディレクター・島田雄三さん(当時35歳)です。


01.禁区
ホントはね、YMOの「過激な淑女」は、明菜のために作ってもらった曲なんです。デモ・テープを聴いたとき、どうも彼女のイメージじゃない、と思ってお断りしました。で、次にあがってきたのが「禁区」です。このへんで、どうしても新鮮味が欲しかったから、YMOサウンドをとり入れてみようと思ったワケ。タイトルもボク自身すごく気に入っています。

02.トワイライト~夕暮れ便り~
「セカンド・ラブ」と同じく、来生姉弟の作品です。ふつう、アイドル歌手が、スロー・バラードをシングルにするのは、ワリと度胸がいることなんですよね。じじつ、ほかのスタッフから疑問視され、反対の意見もありました。でも、明菜の可能性を最大限にひきだすには、この曲で勝負すべきだと思って、決定しました。

03.キャンセル!
この曲、ファンのアンケートでは、すごく評判のいい曲なんです。セカンド・アルバムの「バリエーション」に入っているんだけど、できたのはデビューまえ。じつは、この曲をデビュー曲にしようか、と思ったこともありました。どちらかというと、「少女A」の世界に近い詩かな。売野さんと若手作曲家の伊豆一彦さんの作品です。

04.あなたのポートレート
思い出深い曲ですねェ。デビューしたときに、キャンペーンで大阪へ行って、明菜といっしょにクルマのなかでふたりで口ずさんだのをおぼえています。彼女もすごく好きな曲でね。「この曲を2弾目のシングルにしようネ」って約束してたんです。でも「少女A」のデキが良すぎて、結局、実現しなかったけど…。

05.瑠璃色の夜へ
かわいい色っぽさを感じさせる作品でしょう。サードの「ファンタジー」に入っているんだけど、いちばんセクシャルな詩だと思います。ウチの会社の視聴会で流したとき、かなり好評でした。シングル・カットにすれば、っていう意見もあったぐらいでね。よく山口百恵さんと比較されるんだけど、ボクは全然、意識してませんね。

06.少女A
この曲を2弾目にすることは、ボクにとって大きな賭けでした。デビュー曲の「スローモーション」の路線をくずすことになるからね。だけど初めて聴いたとき、ゼッタイ売れると確信しましたね。「あなたのポートレート」を出す予定を急きょ変更したほど、インパクトのある作品でした。これが大ヒットしたおかげで、いまの明菜がある、と思っています。

07.少しだけスキャンダル
4枚目のアルバム「エトランゼ」に入っている曲です。横浜銀蠅と彼女のイメージって、合いそうで、合っていない、というフシギな組み合わせだと思うんです。銀蠅って、スリー・コードのR&Rだけかと思ったら、この曲は意外に歌謡曲の作曲家が書いたようなメロディ・ラインで、ボクもちょっとビックリしましたね。明菜のニューな部分を出せた作品です。

08.スローモーション
明菜って、ライバル歌手に比べて、デビューするのが、いちばん遅かったんです。先にデビューした新人さんたちが、ワンパターンのアイドル・ポップスを歌っているのを見て、ボクは不満でしたね。だから異色さを前面に出そうと考えていました。あえて、アイドルらしくない曲で、勝負してやろうと。結果は大成功。やった!と思いましたね。

09.銀河伝説
作曲した佐瀬寿一(させじゅいち)さんって、ご存知ですか?あの「およげ!たいやきくん」を書いた人なのです。ま、この曲とはあまり関係ないけど。ファーストの「プロローグ」に入っていて、「スローモーション」と並んで、デビュー候補曲のひとつでした。星座の話が出てくるせいか、女の子のファンに、かなり好評のようです。

10.1/2の神話
いまだから話せるけど、「少女A」を出したとき、NHKが、“不良賛歌”のイメージが強いって言って、放送自主規制になりかけたことがあるんです。でもボクは、そんなに反響があるなら、逆に売れるゾ、と自信を持ちましたね。それで、連作っぽいこの曲の最初につけたタイトルが「不良1/2」。でも、ちょっとやりすぎかな、と思って、こんどはこちらが自主規制。

11.ヨコハマA・KU・MA
南佳孝さんに作品依頼したとき、「あの『モンロー・ウォーク』のイメージでいきましょう」って言ったんです。明菜の歌のなかでは、かなり色合いの違った曲調でしょう。サウンドもブラス・セクションがカッコよくきまっていて、躍動感がありますね。アレンジャーの萩田光雄さんが、たぶん、いちばん苦労した作品じゃないかな。

12.セカンド・ラブ
「スローモーション」→「少女A」と続き、また来生姉弟にもどしました。レコード・セールスでは、この曲が最高の数字(約80万枚、オリコン調べ)になっているけど、やっぱり冷静に考えると、「少女A」の勢いがあったからだと思います。初登場1位も、この曲からです。明菜自身もバラードでは、いちばん愛着があるようです。

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